カシャーン

カシャーンは、イラン 中央部の砂漠、キャヴィール砂漠の端を通るコムとケルマンを結ぶ「王の道」沿いにある、オアシス都市です。

カシャーンの都市名はペルシャ語でタイルを意味するKashiからきています。

カシャーンといえばペルシャ絨毯の産地としても有名。

13世紀にはここでペルシアを代表する素晴らしい陶器や彩袖タイルがつくられていました。この工芸の町として知られるカシャーンは、シャー・アッバース1世が愛した町でもあり、この地にアッバース大王は葬られたといわれています。

サファヴィー朝当時、エスファハーン同様に王宮用の絨毯工房がつくられ、誉れ高きカシャーンの職人の手によって、素晴らしい作品が数多く生み出されていました。

19世紀末から20世紀初頭にはシルクやマンチェスターのウールを使った良品が生み出されましたが、その後は伝統的で比較的オーソドックスな絨毯がつくられています。

街のあちらこちらに染物工場や絨毯屋さんが多い。

 

染物工場

 

 

糸をつむぐ工場

 

絨毯以外にも「バラの街」としても知られている。

カシャーンから1時間とに位置するガムサル村はローズ・ウオターの里として知られている。

 

 

ローズ・ウオターは5月中旬から6月初旬のほんの短い間,それも早朝に収穫されたバラのつぼみを大きな釜で蒸留して抽出される。

 

 

通常のローズウォーターには花びらが利用されるが,ガムサル村ではその日咲くつぼみを朝摘みしている。その理由はつぼみにはオイルや香りの成分が外に逃げずに凝縮されているからである。

 

完成したものペットボトルにいれてお土産として販売しています

 

 

フィン庭園

ユネスコの世界遺産暫定リストに登録。

サファヴィー朝アッバース1世(1587-1629)によって造られた、イランが持つ水の技術を駆使した、芸術性豊かな美しい庭園である。

 

この庭園には王の風呂(ハマム)がある。風呂は、 ガージャール朝時代の宰相アミール・キャビールが、王(ナーセロッデイーン・シャー)の命令により殺された所として、イランでは有名。

宰相アミール・キャビールはバーブ教徒の 反乱を鎮め、国の近代化を推進した国民に人気のある指導者であった。

しかし、彼の改革は宮廷関係者、高位聖職者など既得権益の喪失を恐れる保守勢力に脅威を与えるものだった。やがて、王は彼を宰相の座から解任、殺害に及んだ。

 

テペ・シャルク

 

ここは7000 以上の昔に遡る遺跡である。

現在見える丘のような地形は45004700 前に造られたジグラート即ち階段ピラミッド型神殿の跡である。

入口近くに5500年前の成年男子と少女の骨が展示されていた。土砂崩れで死亡したと される。ここ での最も興味ある発見物は刻印のある粘土片で、ルーブル美術館とテヘラン博物館に展示されている

 

もう一つ有名な観光スポットはカシャーンの有名な3つの邸宅。

19世紀前半ガージャール朝時代に建てられたもの。

まずはタバータバーイー家の邸宅。

タバータバーイー氏は、絨毯商人として有名です。

 

アッバーシアンの邸宅。

こちらの邸宅は、現在半分がレストランとなっています。

 

カシャーンの商人・ボルージェルディー家の邸宅。

ペルシャの伝統的住宅の一つといわれる“バードギール(風採り塔)”が印象的です。

 

天井も美しい。

 

カシャーンはザクロの産地としても有名なんです。

ザクロの木が町のあちらこちらにあります。